カレンダーを見ていて、ふと目にする「大安」「仏滅」「友引」などの文字。
「六曜」と呼ばれるこれらの日柄に対して、「結婚式は大安がいいらしい」「葬式に友引は避けた方がいい」と言われた経験、ありませんか?
一方で、「そんなの迷信でしょ」「今どき意味あるの?」と感じる人も多いでしょう。
本記事では、六曜の歴史や意味、迷信としての位置づけ、現代における使われ方を掘り下げつつ、「くだらない」と感じたときの付き合い方を考えていきます。
目次
六曜って本当にくだらない?迷信と現代の考え方

六曜って本当にくだらない?①六曜の基本とその由来
六曜(ろくよう)とは、日本のカレンダーに見られる「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」の6つの日柄を指します。
もともとは中国の暦法や陰陽道の影響を受け、日本の旧暦のなかで発展してきたものです。
この六曜は、旧暦の日付をもとに一定の順番で巡るもので、「占い」とは言っても、実際には機械的に決まるサイクルです。
特定の出来事や星の動きによって占われたものではなく、日付ごとのローテーションにすぎません。
現在のように六曜が広く使われるようになったのは、江戸時代以降。
明治時代には一時、政府によって「迷信」として暦から排除されましたが、その後も人々の間で根強く残り、現代に至るまで冠婚葬祭などで意識される存在となっています。
中国の暦法はいわゆる太陰太陽暦
1月の長さを月の月齢約29.53日を基準に1年における月の配列を太陽の運行を基準に定める。
引用元:Wikipedia>中国暦
六曜って本当にくだらない?②各六曜の意味とその特徴
六曜は、それぞれに「吉」「凶」などの意味合いが割り振られており、昔から日取りの判断基準として用いられてきました。
以下では、その特徴を簡単にご紹介します。
- 大安(たいあん):何事にも吉とされる日。結婚や引っ越しなどの慶事によく選ばれます。
- 仏滅(ぶつめつ):凶日とされ、祝い事を避ける傾向があります。ただし、料金が安くなるなど現代的なメリットも。
- 友引(ともびき):「共に引く」とされ、葬儀を避ける風習がありますが、午前や夕方は吉とされる見方も。
- 先勝(せんしょう):午前中が吉、午後は凶とされます。急ぐことに適した日とされることも。
- 先負(せんぷ/せんぶ):逆に、午後が吉、午前が凶とされます。静かに過ごすのが良いとされます。
- 赤口(しゃっこう/せきぐち):全体的に凶とされますが、正午だけは吉とされる特異な日です。
六曜はあくまで古くからの目安のひとつであり、その意味も時代や人によってさまざまに解釈されています。
六曜に科学的根拠はある?

六曜に科学的根拠はある?①六曜は旧暦に基づく単なる順番
六曜は「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」の6つが、旧暦の特定の日付に応じて一定の順序で繰り返されているだけの仕組みです。
天体の動きや人の運命とは無関係で、科学的な根拠は一切ありません。
六曜に科学的根拠はある?②明治時代には「迷信」として排除された
明治政府は、六曜を含む暦注を迷信とみなし、公式の暦から削除しました。
近代化と科学主義を進める中で、非合理的な考え方を教育や行政から遠ざけようとした流れがあったのです。
六曜に科学的根拠はある?③現代も残る“根拠なき信仰”
今でも「仏滅は避ける」「大安なら安心」といった使われ方が続いていますが、これは心理的な安心感にすぎません。
事実としての裏付けがあるわけではなく、文化的な慣習や思い込みの範囲にとどまっています。
六曜をくだらないと感じる理由

六曜をくだらないと感じる理由①意味が曖昧で合理性がないから
六曜の吉凶は、旧暦のサイクルで決まるだけで、根拠も裏付けもありません。
現代の価値観では「理由がないのに行動を左右されるのは非効率」と考える人も多く、意味がないものに振り回されるのがバカバカしいという感覚につながります。
六曜をくだらないと感じる理由②社会的圧力や差別の可能性
「仏滅は結婚に向かない」「友引は葬儀に不適」などの考えが、他人の選択や行動にまで影響を及ぼす場合があります。
自分は気にしていなくても、親や職場、取引先から暗に強制されると、不自由さや理不尽さを感じやすくなります。
六曜をくだらないと感じる理由③六曜の存在自体を知らない
SNSやデジタル中心の生活を送る若い世代では、そもそも六曜を見たことがないという人も増えています。
そうした中で「知らないし、信じていないものを押しつけられる」ことに対し、無意味で時代遅れだと感じる人が増えているのです。
六曜がそれでも使われている理由

六曜がそれでも使われている理由①冠婚葬祭の文化に根づいている
結婚式や葬儀など、日本の伝統的な儀式では「お日柄」を気にする慣習が根強く残っています。
特に年配層や親族の意向で、大安を選ぶ、仏滅を避けるといった選択が今も一般的です。
六曜がそれでも使われている理由②心理的な安心感につながる
科学的根拠がなくても、「縁起がいい」と思える日は気分が良くなるものです。
六曜を気にすることで、不安を和らげたり気持ちを整えたりする「おまじない」のような役割を果たしているとも言えます。
六曜がそれでも使われている理由③柔軟な活用方法
最近では「仏滅は式場が安くなるからお得」「大安だけ気にする」など、自分の都合や価値観に合わせて六曜を使い分ける人も多いです。
伝統に縛られすぎず、ほどよい距離感で付き合う姿勢が広がっています。
六曜以外にも縁起の良い日として「一粒万倍日」が注目されており、こちらの記事で詳しく紹介しています。
六曜を活用する実際の影響と現状

六曜を活用する実際の影響と現状①結婚式や葬儀での六曜活用
式場や葬儀社の現場では、今でも六曜を基準にした日程調整が日常的に行われています。
特に大安には予約が集中し、仏滅は割引価格になることもあるなど、六曜の影響は料金や混雑状況にまで及んでいます。
六曜を活用する実際の影響と現状②行政カレンダーの対応
一方で、自治体や公的機関の発行するカレンダーでは、六曜を掲載しない動きが進んでいます。
これは、「迷信的な情報を公の場に載せるべきではない」という考え方によるもので、行政レベルでは合理性が重視されていることがわかります。
六曜を活用する実際の影響と現状③若者と海外の反応
六曜は日本独自の文化であり、海外にはまず通じません。
また、デジタル中心の生活を送る若い世代の間では、六曜を見たことがない、意識したことがないという声も多く、その存在自体が知られていないこともあります。
六曜がくだらないと思ったときの心構え

六曜がくだらないと思ったときの心構え①理由を知ったうえで取捨選択
六曜の背景や仕組みを理解すれば、「自分には不要だな」と判断することもできます。
ただ、全てを否定するのではなく、相手が気にしている場合への配慮も忘れずに。
自分の価値観と他者への思いやりのバランスが大切です。
六曜がくだらないと思ったときの心構え②自分らしい判断を大切に
六曜を気にする・気にしないは完全に個人の自由です。
周囲に流されず、自分にとって納得できる判断基準を持つことが、現代的なスタンスといえるでしょう。
無理に従う必要も、過剰に拒否する必要もありません。
六曜がくだらないと思ったときの心構え③依存しすぎない意識も必要
「大安だから安心」「仏滅だからやめておこう」と思うのは自然ですが、それに過剰に依存しすぎると、本来の目的や判断力を見失ってしまうことも。
あくまで参考程度にとどめ、柔軟な心構えを持っておくことが大切です。
まとめ:六曜との柔軟な付き合い方

六曜は、旧暦に基づいた日柄のサイクルであり、科学的な根拠はない文化的な慣習です。
「くだらない」と感じるのは自然な感覚ですが、そう思う理由や背景を理解することで、より柔軟に向き合うことができます。
現代では、六曜を信じる人・気にしない人・使い分ける人が混在しています。
一律に否定せず、自分にとって心地よい距離感で接することが大切です。
大切なのは、六曜に振り回されず、必要に応じて活用すること。
自分で納得できる選択をしながら、周囲への配慮も忘れない。
そんなちょうどいい関係が、これからの六曜との付き合い方かもしれません。